私の屍を越えて行って欲しいブログ

被験者:自分(と私物)で人体実験中。人生のトライル&エラー。あと、趣味の刀剣乱舞関係。

【童子切】春日大社でやってる「最古の日本刀の世界 安綱・古伯耆展」に行ってきた感想【髭切・膝丸同時展示】

今回は、春日大社で行われている「最古の日本刀の世界 安綱・古伯耆展」に行ってきたので、源氏兄弟メインで紹介します。

一部、刀剣乱舞とコラボしていたので、そちらの感想も!

 

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基本情報


場所:春日大社 国宝殿 
交通:JR奈良駅から奈良交通バス(春日大社本殿行き)約11~15分、「春日大社本殿」下車すぐ。
もしくは奈良交通バス(市内循環外回り)訳9~13分、「春日大社表参道」下車、徒歩10分。
期間:前期 2019/12/28~2020/1/26
   後期 2020/2/1~2020/3/1
※一部刀剣の入れ替えがあります!!
石切丸や鬼切丸が見たい人は前期に行きましょう!!
開館時間:10:00~17:00(入館終了16:30
※日によって延長開館あり。
     公式で確認を。
観覧料-一般1000円
HP-

kasugakatana.com

 

「最古の日本刀の世界 安綱・古伯耆展」って?

今回の展示会は「最古の日本刀の世界」「伯耆国安綱とその美の世界」の二部構成。

①「最古の日本刀の世界」では、直刀から日本刀(反りがある)への変遷、それに合わせた拵えなどが紹介されていました。

②「伯耆国安綱とその美の世界」では、安綱作の太刀を中心に展示されています。

「安綱」とは、平安時代伯耆[ほうき]の国(現在の鳥取県)で活躍した、最古級の刀匠の名前です。日本刀に反りを付けはじめたのも安綱だと言われており、日本刀のパイオニアと言えるかも?安綱一門が打つ刀は、源氏をはじめとした武家社会で高いから評価を受けてきました。

今回の展示では、安綱の最高傑作であり、国宝・天下五刀の一振りでもある【童子切・重文に指定されている【鬼切丸 別名 髭切】・重美に指定されている【天光丸】など、国宝や文化財に指定されているほぼ全て安綱作品が一挙に展示されます。

源氏繋がりで、源義経が使用していたとされる「薄緑丸(膝丸)」・その他、同時期の活躍した三条や古備前の打った太刀なども展示されており、日本刀・源氏好きにはたまらない展示会です。

 

童子切・鬼切丸(髭切)・薄緑丸(膝丸)・天光丸の簡単な説明

童子切

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安綱が最高傑作。国宝指定。現在は東京博物館蔵。

天下五剣の中でも総合点では1番とも言われている。(美しさでは三日月宗近が1番)

また、大包平と並んで「日本刀の東西の横綱」の一振り。

名前の由来は、源頼光が「酒呑童子」って鬼を退治した際に使用したと言われているから「童子切」。

因みに、現代の鑑定では、上記の逸話より後に打たれたことがわかっている。

上記逸話は髭切の逸話と混ざってる可能性大。

 

『鬼切丸(髭切)』

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※全国に「髭切」や「鬼切」とされる刀は複数存在します。

重文指定。現在は北野天満宮蔵。

清和源氏の流れをくむ、清和源氏の重宝。惣領刀。

誰が打ったかの逸話は色々あるけども、今回の展示会では「満仲が安綱に依頼し、髭切・膝丸を作らせた」と図録に記載あり、こちらの説を採用している様子。

髭切→鬼切丸→獅子の子→友切→髭切と名前変えられがち。

「鬼切丸」の由来は、源頼光が部下の渡辺綱に「髭切」を貸している時、渡辺綱が女に化けた鬼に連れ去らわれそうになり、北野天満宮の上空で鬼の腕を切り落としたことで九死に一生を得た…と言う逸話によるもの。

 

『薄緑丸(膝丸)』

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※全国に「膝丸」「薄緑」とされる刀は複数存在します。

今回展示された膝丸…薄緑丸は箱根神社蔵。

作者に関しては諸説あるが、箱根神社社伝では三条宗近作と記されているとのこと。

平家物語の剣巻では「髭切」の対で打たれた兄弟刀とされる。

膝丸→蜘蛛切→吠丸→薄緑と名前変えられがち。

持ち主もコロコロ変わってるけど、多分、一番の有名人は源義経

曽我兄弟の仇討で弟の五郎時致が使用したとされる。

 

『天光丸』

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重美指定。坪井八幡宮蔵。

源氏ゆかりの太刀で、河内名所図会には「鬼切丸と同じ鉄を使った雌雄太刀」と記されている。

名前の由来は多田太郎が金剛山に逃げる途中で失くして、数年後土の中から見つかったけど綺麗な状態のままだったから…だそう。

 

刀剣乱舞とのコラボについて

今回、刀剣乱舞の人気キャラクターである「髭切」「膝丸」「石切丸」が展示されることから、刀剣乱舞とのコラボしています。

詳しくは公式サイトをご覧下さい。

kasugakatana.com

 私は敬虔な源氏信者なので、髭切・膝丸(特2)のチケットが揃いで欲しくて、2枚予約しました…

がががががが!1500円は高すぎないかな?

一般1000円でしょ?前売りとかもっと安いよ?

100円のポストカード1枚(売店で買えるやつ)と、チケットの柄が刀剣乱舞仕様(ランダム3種)でプラス500円ってどうなんだろう?

いや、迷いなく予約したけど!!!!

ちょっと若いファンの子に優しくないなぁと思いました。

…そしてブーたれた罰が当たったのか、チケット2枚とも兄者でした…くそ…膝丸の呪いか…。

 

「髭切」「膝丸」は分かるけど、何故「石切丸」?(深読みと妄想)

石切丸は「最古の日本刀の世界」の方で展示されてました。

多分、三条派の作品だから~ってことで呼ばれたんだと思いますが、深読みしたい。

源氏の有名人の中で「源義平[よしひら]」って人がいまして、この人は源義経の異母兄にあたります。平清盛の暗殺に失敗して怨霊になったとされる人です。

かなり荒っぽい…勇猛な方であったらしく、人々からは「悪源太[あくげんた]」と呼ばれていました。その人が平治の乱に参戦した際、「石切の太刀」を佩いていたと伝わっています。

この太刀が石切丸なのか、そうではないのかは分かりません。

が、伝承の一説として、石切丸が源氏に与していたってのも面白いんじゃないかな?

今回の展示は「安綱」だけじゃなくて「源氏」が大きな枠組みとして組まれているから、そのへんのこともあって、石切丸も展示してくれたのかなぁと思うのです。

はい、ただの妄想です。

 

現地レポート

JR駅から歩いて約35分弱(2.7km)。

バスに乗ればいいのは分かりつつ、ケチって歩きました。歩けないことは全然ないです。参道楽しいし。

宝物殿の前には、トイレと休憩できるような広場があるので、多くの人がいますが、宝物殿は比較的空いています。

大きく「童子切」と看板が出ていて分かりやすい。

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小さな看板の横が入口です。

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入るとパンフレット?が。

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うん、とっても分かりやすくて、可愛いパンフレット!

先に読んでおいた方が、展示を楽しめるんじゃないかな?

パンフレットの鹿兄弟可愛い…。

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兄者、源氏て…これ作ったの源氏兄弟のファンなの???

頭の中で三浦くんと高野くんの声で聞こえてくる…。

「はにうええ~。」「なんだいっはこおう?」

 

さて、入口はいってまっすぐ進むと、チケットを切ってもらうところがあります。

刀剣乱舞とのコラボチケットを持っているひとは、ここでコラボチケットを引き換え、ポストカードを受け取ります。

コラボチケットは黒い封筒に入っていて、中が見えません。チケット切ってくれるお姉さんは上から順に取って渡している様子。

待っている間、「髭切こい!!!膝丸こい!!!!!!」とドキドキ!!!!!!

……

………

『源氏の重宝、髭切さ』

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「あああああああああああああああああにじゃぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

兄者来た!

心では叫んでいましたが、目の前にお姉さんがいるので澄ました顔で受け取ります。

ポストカードもランダムに配られるみたいなのですが、私が頂いたのは童子切でした。

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※日にちを分けて2回行ったのですが、2回目も兄者を引き当ててしまいました…。

髭・膝・石・髭…∞ みたいに交互にチケットが並んでいた可能性があるので、1回目に行った時に2枚貰っておけば膝丸だったかも…と後悔です…。

 

チケットカウンターの横には神域をイメージしたプロジェクションマッピング?などが展示されています。

 

そこを進んでいくと現代刀が展示されていました。

やっぱり現物を見るとテンションが上がってきます!

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そこを右手に抜けると、広い空間に出ます。ここは入口の大きく看板が出ていたところの中側にあたります。

この部屋には鼉太鼓[だだいこ]舞楽演奏に用いる左右一対の太鼓。陰陽を表している。春日大社のものは源頼朝寄進との伝承がある鎌倉時代の作。)のレプリカが飾られているのですが、その横に膝丸!!髭切!!!石切丸!!!!の等身大パネルが!!!!!!!!

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ちょ、ちょっと待ってくれ。

鼉太鼓との相性良すぎん??

神々しすぎん???

見た瞬間、美しすぎて目が潰れたかと思った。

源頼朝寄贈って、もう最早源氏の為のもの、つまりは髭切・膝丸・(石切丸)の為のものじゃん?

通りでしっくり馴染んでるわけだよ!!!

源氏の惣領刀である髭切が、陰陽を表す2つで1セットの楽器と、源氏にゆかりのある刀を2振り従えてるとか胸熱。

頭の中で兄者の近侍曲風の雅楽が鳴って止まらない…!!!!

 

…てかなんで膝丸は特2なの?大覚寺膝丸は特なし、とか住み分けがあるのかな?

 

「パネル永遠に眺められるわぁ〜!」と思いつつ、本体にも早く会いたい!!

刀剣の展示は2階で行われている為、2階へと進んでいきます。

 

※2階は撮影禁止です。

 

2階には2部屋あり、右手の部屋では「最古の日本刀の世界」が展示されています。

こちらの部屋は小さく、1列で並んで見なければいけない為、ちょっとだけ混んでいました。

石切丸の展示はこちらの部屋!

古墳時代〜現代迄の刀達が並んでおり、日本刀の変遷を伺うことができます。

 

左手の部屋では「伯耆国安綱とその美の世界」が展示されていました。

入って右斜め前に、今回のメイン、童子切が展示されているようで、そこに人が集まっています。

がしかし!!私の1番のお目当ては髭切・薄緑丸(膝丸)!!!

どこだどこだと探していると…いたあ!!!!!!!2番目に人が群がっているところに髭切が!そしてその斜め前に薄緑丸(膝丸)が!!!!

確か位置的にこんな感じ。

※左側はもっと展示スペースが広がっています。

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はぁ、膝丸が斜め左前向いて座ってるのがみえる!!!!!!

これ、ずっと視線合わせて語らってるやつだ。鼉太鼓が作られた時とか、抜け出して参加した祭事の事とか思い出話してるやつだ。

…なんか宇宙感じてきた…尊い…。

源氏ばんざーいって鼉太鼓叩きながら叫びたい…!

 

さて、私は刀剣に関してど素人の為、どこがどうこう言えませんが、箱根神社の薄緑丸について少しだけ感想を。

大覚寺で【薄緑/膝丸】をはじめて見た時、

「え?膝丸デカっ!雄々しい!!

この膝丸は あにじゃああ!!泣 とか言わないタイプの個体だ!」

と思いました。

そりゃそうです。

大覚寺の膝丸は兄刀である髭切(髭切も多数存在する刀ですが、ここでは北野天満宮の【鬼切丸 別名 髭切】とします)よりも長く、反りもキツいのです。

しかし今回展示されている箱根神社の【薄緑丸】は、大覚寺の膝丸より約10センチも短く、反りも穏やか。

その為、とっても綺麗目で繊細な印象を受けました。

少し照れながら「兄者っ!お会いしたかったぞ…!」と泣きべそかいてくれる、そんな膝丸のイメージ。

※参考

・髭切(北野天満宮):長さ 84.4cm 反り 3.6cm  刀工  安綱

・膝丸(大覚寺):長さ 87.6cm  反り 3.72cm  刀工 古備前

・薄緑丸(箱根神社):長さ 76.5cm  反り2.4cm  刀工 三条宗近

少し控えめな、綺麗所な印象を受ける、箱根神社の薄緑丸。しかし、この子は曾我兄弟の仇討ちに使用されたとする太刀なのです。つまり、高野君膝丸が佩いてたやつ。

綺麗で繊細な印象の太刀だけれど、やっぱり源氏…武家の太刀なんだなぁ。

 

さて、今回の展示会では、髭切と天光丸が雌雄の太刀だと紹介されていました。

薄緑丸の斜め前で二振り並んで、説明にもそう書いてあって。

伝承の枝分かれなんて当たり前で、どれが事実なんかわからなくて、もはや事実なんてどうでもよくて…でも、源氏兄弟推しとしては、箱根の膝丸が悲しんでるように思えて、なんとなく辛かった…。

大覚寺さんの薄緑/膝丸と髭切は兄弟として同一ケースに展示されて、箱根神社さんの薄緑丸は髭切の斜め前、しかも「雌雄の太刀」として髭切と天光丸が同一ケースで並んでる…。これ、人間だったら修羅場さ。

個体差系の話見過ぎ?ピク●ブ徘徊しすぎ?

 まぁ、「細かいことはどうでもいいかなっ」って兄者が笑いとばしてくれてると思うことにした。髭切と膝丸は仲良し兄弟ってことでいいんよ。

 

全部じっくり見てたら結構時間かかりました。

待ち時間はほぼなかった。

あ、そういや、途中で停電あったな。暗闇で目凝らしたら髭膝座ってないかな?って目凝らしたけど、他の人がつけた携帯のライトの光しか見えませんでした。現実は無常。

 

グッズ類

最後は入口の横にある売店寄って帰りました。

私が買ったのは図録

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このタイプのポストカード

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しおり

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だけだけども、マステとかもありました。

ホームページに載ってないやついっぱい売ってたから、気になった人は行ってみるといいかもね。

このしおりの膝丸は蜘蛛切バージョンなんだなぁ。何でかは知らんけど。

 

 ってことでレポ・感想終わりっ!

 

実は1月1日に行った訳だけども(ガキ使みてたら年越し拝観には間に合わなかった)、綺麗な空の日だった。

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御神籤は…

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むむっ…まぁ、丁度よきかな?

 

感想まとめ

・駅から遠いから、時間に余裕をもって行こう。

・お金がない人は、パネルとだ太鼓レプリカだけなら外からでも見れる。

・コラボチケットはちょっと高いかな…。

・展示室内は源氏天国過ぎた。

・刀派違うと、(当たり前だけど)素人でも「違う」って分かるもんなんだなぁ…逆を言うとそれしか分からん。

・箱根の薄緑丸(膝丸)は繊細な綺麗どころ系でした。

・髭切と薄緑丸(膝丸)は対面展示だけど、髭切の横には天光丸と言う雌雄の太刀が!修羅場。

・グッズが可愛い。