私の屍を越えて行って欲しいブログ

被験者:自分(と私物)で人体実験中。人生のトライル&エラー。あと、趣味の刀剣乱舞関係。

刀剣のことなんて分からなくても、【鬼切丸 別名 髭切(北野天満宮蔵)】だけ鑑賞できるようになる記事①基本編

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こんにちは。

ひょんなことから刀剣乱舞の源氏沼にドボンし、あっという間に本体(刀剣)にも手を出したにわか刀剣好き野郎のひつまぶしです。

 

刀剣の本を買い込み読み漁り、単眼鏡をアマゾンプライムし、神社や博物館に足を運び、ちまちま刀剣鑑賞を行っておりますが……。

 

正直な話し、ヨクワカッテナイ☆

 

澄ました顔で姿を観、真剣な顔して単眼鏡を目に当ててるけれど、正直「これは良く切れるぞ~…」くらいしか分かってません。

分かってる感じは全部ポーズです。

 

 …そ、そりゃ、「教科書(刀剣の本)を横に置いて・本体を手に取って・肉眼と眼鏡で時間かけて確認する」くらいのことしたら分かる気もしますが、一般人には無理でしょう…相手は国宝や重文ですし…。

宝物殿や博物館で右手に単眼鏡、左手に本持ってガラスの前を占領する訳にもいかんですからね…。

 

でも、でも、髭切の本体を分かった感じで観たい!!!!少しでも兄者に近づきたい!!!!!頭の中で膝丸と兄者について語りたい!!!!!!!ってことで、北野天満宮蔵の「鬼切丸 別名 髭切」だけ何となく鑑賞できるようまとめてみました。

 

これだけ読めば、あなたも立派なにわか髭切(本体)鑑賞マスター!

宝物殿で「髭切は姿が~(どやぁ)」って言えるようになるはず!

 

※この基本編は刀剣鑑賞の前情報ページなので、「さっさと鑑賞ポイント言えや!」って方は②姿編へ飛んで頂いても問題ないかと思います。

 

Ж 目次 Ж

 

刀剣鑑賞の前に、最低限これだけは!【髭切】の基本情報

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【髭切】とは、源氏の宝剣の中でも特に大切にされてきた「惣領が持つ刀」の一振り。

 

そもそも源氏とは、天皇の皇子が臣下へ降下した際に与えられた姓です。

そんな皇家に連なる源氏ですが、かなりの大所帯でして、貴族に近い源氏や、武家に近い源氏がいました。

武家の源氏は、清和天皇から派生した源経基を祖とする清和源氏からなるのですが、この経基の子、満仲が「天下の守護」を念じて打たせた太刀が【髭切】【膝丸】です。

特に、【髭切】は清和源氏の惣領に受け継がれる刀として存在してきました。

時代の流れとともに【髭切】の持ち主も転々としますが、一番のビッグネームは源頼朝だと言えます。(※鎌倉幕府開いた人だよ。)

 

【髭切】と【膝丸】に関しては伝説じみた逸話が多く、どこまでが本当かは分かりません。

また、【髭切】と伝わる太刀は複数振り存在しますが、現在【髭切】として有名な太刀は北野天満宮蔵の【鬼切丸 別名 髭切】です。

今回取り上げている【髭切】もこちらです。

 

何故、名が二つついているかと言うと、何回も改名させられているからです。

 1-罪人で試し切りした際に髭まで切れたから→髭切

2-鬼退治に使用されたから→鬼切丸

3-夜中に獅子っぽく吠えたから→獅子の子

4-自分の写しを切ったから→友切

5-友切は縁起が悪いから→髭切

 と改名に改名を重ねています。

 

なぜ、2-鬼切丸が名の一番目に来ているかと言うと、現在、北野天満宮に収蔵されているからでしょう。

北野天満宮の上で鬼を切った…と言う逸話があるのです。

 

 【髭切】についてすべて語ろうと思うと、とんでもない量の文字数になってしまうため控えますが、

「【髭切】は源氏の惣領が持つ、源氏の為の刀。

伝説じみた話が多く、色々真偽不明。

今回は北野天満宮蔵の【髭切】を取り上げてる。」

ってことだけ頭に入れて読み進めて頂けたらと思います。

 

刀剣乱舞ファンに多い誤解

刀剣乱舞『源氏の重宝で兄弟刀の髭切・膝丸』平家物語の一部である「剣巻(つるぎのまき)」の世界観から生み出されたキャラクターと思われます。

この「剣巻」は簡単に言うと[髭切と膝丸って二振一具の源氏の重宝が、異なる軌跡を辿りながら源氏を勝利に導き、最終的にはまた巡り合うんだぜ。]って話しです。

刀ミュの「双つの軌跡」聞いてください。あれです。あれ。双つのき~せ~(き)そ~の太刀筋~♪

 

、ですが。

 

「剣巻」ってのは「物語」なんですね。歴史書ではなく「物語」。

つまり、ファンタジーです。

燃えよ剣」とかと一緒。新選組は確かに存在したし、歴史年表に合わせて話しは進んでいくけれど、細かい設定や台詞等は創作ってことです。もはや完璧に作者オリジナルの部分だって多く混じってます。

 

正直、正しい歴史なんて分かりません。

過去なんて人々が好き勝手に語るものです。

そのため、「兄弟刀の髭切・膝丸」の逸話もあれば、「単体で惣領刀の髭切」「刀工が同じ髭切・膝丸」「違う刀工に競わせて打たせた髭切・膝丸」「行方不明になった源氏の刀(今思うと膝丸かも…)」等、何説もあるのです。

 

刀剣乱舞では「剣巻」の設定を採用している…というだけです。

 

現に、【髭切】【膝丸】とされる刀は複数振り現存しますし、伝承と完璧に一致する太刀はありません。

刀剣乱舞ファンの中では【髭切】と言えば北野天満宮蔵の太刀、【膝丸】と言えば大覚寺蔵の太刀の印象が強いですが、この二振りも刀工が異なりますし、素人目にも違いが分かります。(同じ年代の刀なので似てますが、双剣かと言われたら…?)

伝承より後の年代に作られた太刀であることも現代科学で分かっています。

 

刀剣乱舞の【髭切】【膝丸】は、あくまでも「源氏をモチーフにした物語」をもとに作られたキャラクターであることを念頭に置いておかないと、刀剣鑑賞する際に「???????」となってしまうので注意が必要です。

 

【鬼切丸 別名 髭切】のプロフィール(ここは飛ばしてOK)

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号:鬼切丸 別名 髭切

銘:安綱 (※彫られているのは国綱)

指定:重要文化財

刀種:太刀  

蔵:京都府北野天満宮

作刀時期:平安後期 (※鎌倉説も有)

 

刃長:84.4㎝

反り:3.7㎝

反りの種類:腰反り(こしぞり)

造込み(つくりこみ)の種類:鎬造り

棟(むね)の種類:庵棟(いおりむね)

鋒(きっさき)の種類:小鋒(しょうきっさき)

目釘穴:隣接して2つ

 

地鉄(じてつ):『板目がよくつんで小杢が交じり、地沸ついて乱れ映りが立つ。』

刃文(はもん):『小沸のよくついた小乱刃に足がよく入り、軽い砂流しがかかり、帽子は直ぐでかすかに返る。』

※上記『最古の日本刀の世界 安綱・子伯耆展』の図録参照

 

※ここから先は記載資料なかった為、ひつまぶしが押形と本体を観て確認した限りの話です。

樋(ひ)の種類:棒樋(ぼうひ)

 樋の上端の処理:肩いかる(かたいかる)

 樋の側の処理:片チリ(かたちり)

 樋の下端の処理:掻き流す(かきながす)

茎(なかご)の種類:一般の形

茎尻(茎尻)の種類:切 + 刃側に欠けがある

 

はい、「これ何語?」状態ですね。

上記のプロフィールが何を表しているかをこれから確認していきます。

 

押し型と御朱印

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こちらは北野天満宮さんで頂きました。

全く刀剣知識が無い方からすると「なんのこっちゃ?!」状態だと思います。

簡単に言うと魚拓みたいなものです。

現場では、ライトの関係などで細かく観察できないことも多いです。

個人的には、先にこちらで模様を確認してから、本体をみる方が分かりやすいかな、と思います。

親切なところは、横に押し型を置いてくれてたりします。

 

 

鑑賞ポイントは大きく分けて3つ!

刀の鑑賞ポイントは大きく分けると3つ!あると言われています。

1.刀身の姿(全体像)

2.地金(刀の鉄の風合い。刃じゃない部分)

3.刃文(刃の白い部分)

 4.+α 銘や鞘について

です。

次のページから、一つ一つ確認していきましょう〜。