刀剣のことなんて分からなくても、【鬼切丸 別名 髭切(北野天満宮蔵)】だけ鑑賞できるようになる記事③地金編
今回は刀剣鑑賞における3つのポイントの二つ目。
1.刀身の姿(全体像)
2.地金(刀の鉄の風合い。刃じゃない部分)←ここ
3.刃文(刃の白い部分)
4.+α 銘や鞘について
について説明したいと思います。
Ж 目次 Ж
2.地金(刀の鉄の風合い。刃じゃない部分)って?
まず、【地金(じがね)/鍛肌(きたえはだ)/地肌(じはだ)】とは同じものをさします。
[地金(じがね)]とは、ここの部分
刃の研いである白っぽいところではなく、濃い~薄いグレーの部分です。
日本刀は[鍛錬(たんれん)]と呼ばれる、叩いて・伸ばして・折り返す作業を繰り返します。
その結果、強度があがり、また、地金の部分には様々な模様が浮き出ることになります。
どの流派が打ったかによって、特徴が出やすい部分がこの地金です。
風合いや流派の特徴、技術力などが鑑賞ポイントです。
しかし、この地金の部分は写真では写りにくく、目視でも鑑賞が難しいです。
なので、雰囲気だけでも感じて頂けたらと思います。
☆いざ鑑賞!!
髭切の地金は『板目がよくつんで小杢が交じり、地沸ついて乱れ映りが立つ。』※『最古の日本刀の世界 安綱・子伯耆展』の図録参照
と評されています。
①鍛肌(きたえはだ)の種類について
地金の模様は様々ですが、木材の模様に似た3種の模様を基本に現れます。
髭切の模様は、ベースが[板目肌(いためはだ)]と呼ばれる、木材の板目のように大きめの年輪が流れた様な模様です。
その板目肌が[よくつんで]…つまり、(良い材料を使用し、丁寧に鍛錬を行われた結果)非常に細かく上質な肌に仕上がっています。
そして、そこに[杢目肌(もくめはだ)]と呼ばれる、板目肌よりも小さな年輪のような模様が混じっています。
②地中の働きについて
刃や地の中に現れる模様を[働き(はたらき)]と言います。
髭切の働きは「地沸ついて乱れ映りが立つ」なので…。
[地沸(じにえ)]とは、地金部分にも[沸(にえ)]…鉄の成分が焼き入れによって現れる、キラキラした粒子の中でも粗めのものが浮き出ていること。
[乱れ映り(みだれうつり)]とは、刀身を光に透かして見た時に、刃文と同じ乱れた白い影のような模様が、地金に浮き出てみえることです。
☆地金のまとめ
・髭切の地金は、大小の細かい年輪状の模様がみえる。
・とっても上質な肌質。
・刃文の形に沿った、白い影のようなキラキラが地金にもみえる。
地金は本体を前にして、単眼鏡を使用して鑑賞したとしても、見にくいです。上記を頭に入れながら鑑賞してみましょう!
さて、これで地金編は終わりです。
次のページでは、3.刃文(刃の白い部分)について説明していきます~。
…読んで下さってる方が、そろそろ飽きてないといいのだけれど…。